御嶽山駅を下車し、東側へ5分ほど歩くと大型の保育園が見え、それを目印に辻を左へ入るとなだらかな上り坂を登ることができる。
さらに一つ目の十字路を右に仰ぐと大田区立水神公園にたどり着けるのだ。
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スティッキーズ内 大田区立水神公園リンク
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この周辺地域はその昔、水神の森と呼ばれていた。
その名の通り、水神の加護があったかのように豊富な湧水に恵まれていたのだ。
大森周辺もそうであるが、広範囲の湿地帯ならではの恵みとも言える。
青々と覆い茂った緑の中、多くの水資源に恵まれていた場所は、昔から多くの人々に愛されていたと思われるこの場所は、現在公園としてその面影を残している。
この水神公園は小さな公園だが、その内部は湧水公園にふさわしいものとなっていた。
塀を挟んで道路沿いの外側には湧水のせせらぎを聞くことのできる小池がある。この小池は水神様の洗い場と呼ばれ、当時の百姓が農具や野菜を洗う場所として使われていたものを復元する形で作られており、現在は休日や午後の昼下がりに親子連れが水辺で涼む憩いの場にもなっているようだ。
日中の開放以外閉ざされている鉄門の内側はまさしく湧水公園らしい緑と水の香りがする。
木漏れ日のなか穏やかなときを過ごせる仕様となっており、目立った遊具は存在しない。
また、水遊びをすることを推奨していない公園のため、散歩道や休憩所として利用する人々も多いようだ。
周辺でも多くの湧水があり、多くの公園地で活用されている。
この公園の特徴的なところは、公園の内側の少し小高い場所に井戸があるのだ。
古式ゆかしい石の井戸はまさしく水神の森と呼ばれていたこの地の名残を表しているのだろう。
住宅街が整備され、現在は森ではなくなってしまったこの場所にも、当時の名残を感じさせるあしらいがいくつもあるようだ。
小さい公園の中にも、時代が巡っても変わらないものが多く残っていることを大田区では深く感じる。
古来の人々の愛した場所が、現在も多くの人々を受け入れており、きっと現在の思いも未来へとつながってゆくのだろう。